2018.02.05 15:12ブルーライジング第1章1-121-12過去何人ものヒーローがポイズントードの犠牲になってきた。それは今でも続いている悪しき慣例でもあった。大金をつぎ込むスポンサーからアンケートを取り、最も投票数の多かったヒーローがポイズントードの生贄としてこのリングに立たされる。そして今の蒼汰と同じように、屈辱を味わう。過去、マックスボマーもこのリングに立ち、屈辱を嫌というほど味わった。いつも憎まれ口し...
2018.01.31 15:12ブルーライジング第1章1-101-10グラウンドスターの控室は、人間が使う事を想定されていない。コンクリートで固められた場所は鉄格子で閉ざされており、入場時は手錠と首輪がはめられた姿で出てくる。ファイブスターのようにショーではなく、グラウンドスターは見世物である。ここではヒーローですらもが特別扱いを受ける事は無い。同じように牢獄に入れられ、残虐な見世物の一つとなる。蒼汰は牢屋の中でコスチ...
2018.01.31 14:58ブルーライジング第1章1-91-9砂に身体が当たっただけで激痛が走る。試合が終わっても攻撃された蒼汰は地獄の時間が続いた。流血で真っ赤に染まった顔は苦痛の表情に歪んでいる。「ウあああああああっ!!」ひときわ大きな絶叫が会場にこだました。むき出しの肌が火炎に包まれた。火だるまになった蒼汰は砂地を転げまわる。蒼汰の呼吸は乱れ、身体が痙攣を起していた。10分の爆破を耐え抜いた蒼汰は瀕死の状態...
2018.01.31 14:50ブルーライジング第1章1-71-7「あばらなんて、大した事ねぇじゃねぇかよ」そんなもん、昔から何度も折ってる。キングレオとの一戦で、龍馬はあばらと鼻の骨を折り、安静を余儀なくされた。飯は食えない、息はしづらい、寝返りで地獄を味わった。ようやく怪我が落ち着き、久々に蒼汰の前へ顔を出す。身体を動かすのはもう少し先になりそうだった。包帯だらけの龍馬を見て、蒼汰は目を丸くした。「誰にやられたん...
2018.01.28 07:55ブルーライジング第1章1-51-5どうにもソワソワする。モニターに映し出されている前説が終われば自分の出番だ。あてがわれたロッカールームには、自分と同じように出番を待っているレスラー達がいる。同期であるという事はこの場にいる全員がライバルでもある。交わされる言葉は少ないのに、なぜかせわしない空気が余計に緊張感を高まらせていた。前説が終わりにさしかかり、その場にいた全員にスタンバイの指示...
2018.01.27 15:02ブルーライジング第1章1-41-4蒼汰はしばらく龍馬の身体に重なったまま動けないでいた。両者は折り重なったまま、荒い呼吸を繰り返していた。「んーフレッシュ!そして実にエキサイティングな一戦だった!!素晴らしいぞ!!」マックボマーは蒼汰を転がしながら健闘を讃えた。力を出し切った身体は立ち上がる機能を失い、コーナーに寄り掛かるのがやっとだった。時間にして16分ほどだったという。未だ汗の引か...
2018.01.27 15:01ブルーライジング第1章1-31-3「…ウシッ!」気合の一声と共に龍馬は体勢を低くした。蒼汰は身体を脱力させながら軽くファイティングポーズを取る。互いがリングを周り、間合いを計る。そして、距離をつめて両者が同じタイミングで組み付いた。コイツ…汗クセェ…組み合った蒼汰は鼻にツンとくる龍馬の臭いに顔をしかめる。だが、それは龍馬も同じだった。コイツ…クッサ!いくらトレーニングしていたとは言え鼻...
2018.01.27 14:33ブルーライジング第1章1-21-2…誰か…いるな…眠れない日はトレーニングに限る。弟たちの遠足写真が送られてきたら、眠れるわけがない。この嬉しさと、新たに入った気合をなんとか消化しないと寝付けるわけがない。龍馬はトレーニングルームにいる確かな気配を感じながらドアを開けた。広大な空間には様々なトレーニング機器とリングが併設されている。朝になればこの空間は人でいっぱいになるだろう。蓄積した...
2018.01.27 14:21ブルーライジング第1章1-11-1喧嘩に反則なんてものは無い。拳一つで挑もうが、周りのものをうまく使おうが、最後に立ってたやつが勝つ。けど、反則級に強いヤツというのは、やはりいる。今の相手がまさしくソレだ。有刺鉄線に囲まれ、触れれば爆発と感電を起こす。砂地に散らばる有刺鉄線を巻いたバットは、爆弾が仕込まれていて、砂地では地雷の役目も果たす。殴れば硬く、殴られれば一発で意識が飛びそうにな...